「キャイン!!」

突然黒ヒョウの悲鳴が
聞こえた


そして、
私が目を開けると
アスリの姿があった


「アスリ!?」


「麻優、早く逃げろ。」



「でも…」



「俺は大丈夫だ。
もうすぐ応援が来る」


振り返ると森の奥の方から
キツネ達が走ってくるのが見えた


「分かった。
帰ってくるの待ってる」





洞窟に戻った私は、
木で造られたベンチに腰かけていた。



「あの~…
お隣よろしいですか?」


「どうぞ。」

隣を見るときれいなレモン色の
キツネが座っていた。


「私は、レモンと申します。」


…そのまんまだ…


「ここのキツネさんって
礼儀正しいですよね。」


「お褒めのお言葉
ありがとうございます。」


「しゃべりにくいから
敬語はいいよ。」


「いえ、王女様に標準語なんて
使えませんよ。」




ん?
今なんて言った?