電話にも出ない柚奈が心配でたまらない。





飯豊と




何があったんだ?





縁は切ったはずだろ?





勢いよく白い玄関のドアを開ける。




なんだ………



ちゃんと家に帰ってるのか……





軽く安心してリビングに向かうと、柚奈は珍しくキッチンに立っていた。



「柚奈?…」




俺が呼ぶと、ビクッとしてから振り返った。




「お、お兄ちゃん……」




お帰り!と言って微笑んだ顔は、若干ひきつっている上に、真っ青だった。





不思議ながら柚奈に近寄ると、髪が濡れていることに気がついた。




長い髪に触れると、



「傘、忘れちゃって……」


と意味ありげにハハッと笑って何かを作っていた。





「お兄ちゃんも傘、忘れちゃったの?びしょ濡れだよ?

あ!!今日さ、お弁当渡しそびれちゃってゴメンね…。
変わりに夕飯は私が作るから許してね!」




無駄に多く喋る柚奈は、いつもと違う。