「っ…ヤ………」



人影のない細い道路には、私と彼らだけ。



誰も助けなんて来ない。



「ハハハっ//可愛いねぇ///」



キモチワルイ




「やめ…て」




脚に伸びてきた気持ち悪い腕。



「いやっ………」




もがいたけれど、押さえつけられていて動けない



ダメだ……このままじゃ




「ちょっ、誰か来た!!行くわよ!!!」



優雅そうに眺めていた飯豊が命令した瞬間、数人の男たちは私の前から去っていった。






「助かっ…………た」





こっちに向かって歩いて来たのは…



「津神?」



海斗とカナーとショウやんだった。




ヤバい



バレたら大変だ!!!!


いつも通りに振る舞わなきゃ‥




「み、みんな!今帰り?」



「そうだけど…何かあった?しかもびしょ濡れだし…」



どうしよう震えが止まらない




「な、何もないよ!!か、傘忘れちゃってさ!!!」




目の前まで来た3人は、怪訝そうに私を見た。




「柚奈……真っ青だけど?‥大丈夫??」




カナーが言う。


心配してくれてるんだ…


「ありがとう!大丈夫だから♪」




相変わらずクールなショウやんは、黙ったまま。



海斗もカナーも心配してくれたけど、何とかごまかす事が出来た。



カナーは傘、貸そうか?と聞いてくれたけど、断っておいた。





止まない雨の中、震えた体で辛うじて家まで帰れた。




家にはいると直ぐにシャワーを浴びた。




触られたところを洗い流す。



洗っても洗っても気持ち悪くて、吐き気がする。



気が済むまで洗い流した末、肌は真っ赤に腫れていた。



チクチクする痛みをこらえながら髪を乾かす。