「ママ〜!どこ行くの??」


好奇心旺盛な柚奈。



いつも母さんのそばから離れなかった。



けれど母さんは



「しっしっ!!あっち行って頂戴。汚れるわっ!」


そう言って柚奈を払いのけた。


まるで



汚いものを見るかのような目で………




「亮君〜!お出かけしよっか?」



母さんは俺に対する態度と、柚奈に対する態度では天と地ほどの差があった。



勿論、こんな母さんが嫌いで


「行かない」



いつもそう言っていた。



こんな無愛想な俺をどうしてそこまで可愛がるのか、俺にはサッパリわからない。



柚奈は母さんの態度を見て、いきなり家を飛び出して行った。




親父も母親も柚奈を追いかけようとせず、舌打ちしながらソファに腰掛けていた。




それでも親かよ……