突然。 「分かった」 そう言ってソイツは再びコーヒーを飲み始めた。 「…え?」 数秒遅れて疑問の声を口にする。 分かった…? 何が分かった…? あたしが働いていた理由…? あたしは不安な表情のままソイツを見つめる。 ドクドクと鼓動と一緒に体中が震える。 ソイツが口を開けるのがコワい。 〝退学〟そのワードが出てくるかもしれないと考えるのがコワい。 ソイツはもちろんのことだが、言葉を発するために口を開ける。 何が出てくるか予想できない言葉がコワい。 知らないうちに強く拳が握られていた。