悔しい。 けれど頼まなければ退学に追い込まれる。 ここはどうには見逃してもらいたい。 プライドと退学。 賭けの対象にもなりゃしない。 だからもちろん。 「許してください…っ」 今度は心も込めた。 しっかり込めた。 ついでに頭も下げた。 すると言葉と同時に頭上から声。 「何でバイトなんてしてた?」 「…え?」 そうくると思わなかった質問に、あたしは弾かれたように顔を上げる。 バイトの理由。 あたしがバイトをしていた…理由。