視線が合うとニコッと笑ってくれた。 そして私の耳元で 「手、震えてる。…大丈夫だから」 って呟いてくれた。 耳元にかかった吐息と優しい空先輩の声にドキンと心が跳ねる。 心配してくれたんだよね。 わかってても耳元で呟かれるのは初めてで。 熱が上がっている顔を空先輩に掴まれている手と逆の手で覆う。 キィー という音とともに開かれたドア。 目の前には透き通った綺麗な青色の空。 …屋上、だよね。