すると空先輩は、ありがとうって笑って、行こうって腕を引っ張ってくれた。 そして私の腕を掴んだまま廊下を進む空先輩。 廊下を出た瞬間から近くにいた女子達が空先輩だって騒ぎ出して。 そしてすぐに 「なんで谷崎さん?」 「まさか…っ」 「え、やめてよー」 なんて声が上がる。 やっぱ空先輩ってモテるんだなあって思い、冷たい視線にぎゅうっと潰れそうになる私の心。 うう…視線が痛いよぉ。 すると、頭に軽い重みがかかり、顔を上げると空先輩が頭をぽんと撫でてくれていた。