ゆらりと角を曲がった時、前に歩いていた後ろ姿に見覚えを感じる。 男子にしては少し小さい背丈にほんのり茶色がかったその髪。 間違いなくあきだった。 「よぉ」 後ろから肩をポンッと叩くと、あきはゆっくりと振り返った。 「あぁ…お前か」 そう言ってはぁっとため息をついたあき。 なんだよ、オレじゃいけないのかよ。 「あれ、間宮さんは?」 ふと、一緒に帰って行った間宮さんがいないことに気付いた。 するとまた、あきはため息をついた。 触れてはいけないところだったのだろうか。