…それは、春も終わりに近づいた頃のことでした。 下校時刻も近づいてきて、辺りは真っ暗でした。 私も、例外なく帰ろうとしていたのです。 けれどどこからともなく聞こえてきたうめき声に、私は足を止めました。 「ぎぃやぁぁぁ…」 聞こえてくるのです。 飢えた獣のような、苦しそうな声が。 「ぐえぇぇ…」 私は怖くて動くことができませんでした。 けれど好奇心に耐えられるわけもなく、私はそのドアを開けてしまったのです。 すると――。