店から出てきた空也と一緒に【アイリス】に向かう途中、私はふと気付いた。


あれれ?

そういえば…。

「私、お金払ってないよ!?」


もしかして無銭飲食!?

あのかわいらしいお姉さんに怒られたらどうしよう。


あわてて店に引き返そうとする私の襟首を、空也が引っ掴んで止めた。

ちょ、息が苦しい。


「何すんのよっ」

「アホか!俺が払ったっつーの!」

「え、そうなの?」