悪役ヒーロー見参!!



ガツッ

ドタッ

バターン


素敵な擬音の三重奏を奏でて空也がずっこける。

どうでもいいけど、鼻すりむいてるよ。


「な゛、おま…っ」

金魚みたいに口をぱくぱくさせて何か言おうとしているけど、まったく言葉になっていない。


「まぁいいや、入ろうよ」

どうせ私と空也が一緒に入っても、そういう関係には見えないだろう。

そもそも私たちは恋人じゃないんだから、胸を張っていればいいんだよね。


ところが、気まずい事態はまだ続く。