ガツッ ドタッ バターン 素敵な擬音の三重奏を奏でて空也がずっこける。 どうでもいいけど、鼻すりむいてるよ。 「な゛、おま…っ」 金魚みたいに口をぱくぱくさせて何か言おうとしているけど、まったく言葉になっていない。 「まぁいいや、入ろうよ」 どうせ私と空也が一緒に入っても、そういう関係には見えないだろう。 そもそも私たちは恋人じゃないんだから、胸を張っていればいいんだよね。 ところが、気まずい事態はまだ続く。