「ほ、ほんとにいいの…?」 あんなかわいい雑貨屋に空也が入るのは、つらいんじゃないだろうか。 「樹の苦手なとこに行くんだから、それぐらいいいけど」 こいつの言うことに従うのは悔しいけど。 ケーキなんて好きじゃないけど。 ついでに空也と一緒っていうのも嫌だけど。 【アイリス】に行けるなら…! 「い、行く」 「よーっし決定!」 空也の顔が輝いた瞬間しまったと思ったけれど、もう遅い。 …あれ、そういえば。 私が一人で【アイリス】に行けば済んだ話じゃない……?