「え、えぇっと、赤点はないよ!多分」 「俺があれだけ時間を割いてやったのに、その程度か」 銀縁眼鏡の奥の目が歪む。 あぁ、数秒前の自分を呪いたい。 「なるほど、次のテスト勉強はもっと厳しくする必要がありそうだな」 だ、誰か助けてぇぇぇ。 その時、いきなりドアが激しく音を立てて開いた。 「嵐、聞いてくれよ!!俺、多分赤点無い! あ、樹!樹はどうだった?」 犬みたいにぴょんぴょん跳ねながらのマシンガントーク。 相槌を打つのも大変だ。