そんなに騒ぐほどすごいわけでもなさそうだけどな。
「あのぅ」
「ん?」
「よそのクラスから、赤沢栗はなんかすごいらしいって聞いたんですけど」
私たちの周りで見て見ぬフリを続けていたクラスメイトの顔が真っ青になる。
…なんか悪いこと言った?
「そんなに言うほど、すごくなさそうですよね」
周りの人たちが安らかな顔でぱたりぱたりと倒れていく。
冬眠にはまだ早いよ。
「…そうか?私、ヤンキーだぞ」
なるほど、だからみんなあんなに騒いでたのか。
でも…。
「なんか、仲良くなれそう」
こうして私たちの友情は始まった…――。


