隣のクラスの赤沢栗はすごいらしい。

それが私たちのクラスに流れてきたウワサだった。


何がすごいのかはよく知らなかったけど、なんかとにかくすごいらしい。


「…何それ」

そのウワサを聞いた私ときたら、まったく関心がなくて。

友達が言うには、

「だって伝言ゲーム形式で伝わってきたんだもん、しょうがないよー」

ということらしい。


私たちのクラスは一番端っこにあるので、そういう風に伝わってきたなら仕方ない気もする。


まぁそういうわけで、何がすごいのかもわからないまま私はいつも通り生活していた。