悪役ヒーロー見参!!



「…で、なんで遅れたの?」


ステージ上にマイクを準備しながら訊ねると、嵐はぐるんとこっちを振り向いた。

やめてくれないかな、目が血走っててかなり怖い。


「体育だったんだよ…」

「へぇ」

「信じられないだろう?次の時間に生徒総会があることを知っていて体育にするだなんて」


確かに着替えやら片づけやらで時間がかかる。

ていうかさ、…あれ?



「空也は?」


チッチッチ、チーン。


「……あれ?」