悪役ヒーロー見参!!



心配する私をよそに、栗は楽天的に笑っている。

「だーいじょーぶだべ。くーちゃんだってそのぐらいできるべさ」

「うぅ、でもでも」


壇上で発表するだけ。

それだけのはずなのにどうしてこんなに不安になるんだろう。


私たちの目の前では着々とステージの準備が進められていく。

私と栗のいる6組は早めに授業が終わったけど、嵐と空也のいる3組は移動教室らしい。


じゃないとここに嵐がいないことの説明がつかない。


いつも集合時刻の一時間以上前にはいるという時間厳守の鬼が。