みっともない叫び声を上げて私たちにしがみついてくる空也を引きずりながら、山原先生がそれはそれは楽しそうに言う。
「…あぁ、そうだ。生徒会執行部の諸君、喜べ」
「な、何がでしょう」
受け答えする私の顔も、横で見守っている嵐の顔も引きつっている。
それがわかっていてさらに追い打ちをかけてくるんだから、先生も鬼だ。
「今回の職員会議で、生徒会執行部の部費は10%減が確定した」
「え゛」
その場にいた生徒会役員全員が息を止めた。
「えと、一応5%減で計算してたんですけど…」
「喜べ。ここまでめちゃくちゃして10%減で済んだんだ」
どうやら有無を言わせず決定らしい。
なんてことだ、もうガラスを割ることは許されない。