悪役ヒーロー見参!!



出逢いはみんなが想像するようなロマンチックなものでなく。

「えぇっと…。三枝、くん?」

名前を名乗るなり彼はわけのわからないことを口走り始めた。

女子力の低さは自覚しているが、男子に間違われるほどひどくはない。


「女子だけど」

「あ、やっぱり?何だよ、早く言えよ」

なんでだよ、見てわかれ。

「だって樹って名前がさぁ、男子だと思うだろ」

思わねぇよ、スカートはいてるだろ。


そんなひどい出逢いが私たちの始まりだ。

とにかく空也はバカすぎて困る。