出逢いはみんなが想像するようなロマンチックなものでなく。 「えぇっと…。三枝、くん?」 名前を名乗るなり彼はわけのわからないことを口走り始めた。 女子力の低さは自覚しているが、男子に間違われるほどひどくはない。 「女子だけど」 「あ、やっぱり?何だよ、早く言えよ」 なんでだよ、見てわかれ。 「だって樹って名前がさぁ、男子だと思うだろ」 思わねぇよ、スカートはいてるだろ。 そんなひどい出逢いが私たちの始まりだ。 とにかく空也はバカすぎて困る。