それを見て、空也が途端に焦り始める。

「あ、おいっ」

「そいつはそいつなりに頑張っている。これを見ろ」

「…?何よ、これ」


嵐が押しつけてきた書類は、次年度の予算案だった。

しかも所々間違っている。


「空也が先日家で書き上げたものだ」

「へ…」

あの、九九が全部言えるのかもあやしい空也が?

「大変だったぞ。いきなり携帯に電話が来たかと思えば、予算の計算の仕方を教えてくれ、だ」

「あー、くそっ。見せんなって言っただろ!」

空也が、これを…。