しばらく行ったところで、私は足を止める。
「付いてこないでよ」
柱の陰から顔を出したのは、他でもない空也だった。
散々怒らせておいて今さら謝りに来るなんて。
「…かっこ悪い」
ぼそっと呟くと、それまでしょげていた空也が顔を真っ赤にして怒り始めた。
「な…っんだと、てめぇ!」
「全然ヒーローなんかじゃないよ。空也はただのバカだ」
「うるせぇ!俺だってなぁ、ちょっとぐらいはかっこいい所もあるんだよ!」
いつも叫んでばっかりで、いい所なんてひとつもない。
どうして、どうしてこんな奴が会長になったんだろう。