なるべくきつい口調にならないように気を付けたつもりだったけど、空也の気分を害するには十分だったらしい。
「この俺が直々に手伝ってやるって言ってんのに、なんだよそれ!」
あぁうるさい、計算が狂う。
電卓を必死で打ち込んでいる私の隣でぎゃーぎゃー叫んでいる空也を、栗が止める。
「まぁまぁくーちゃん。落ち着いた方がいいんとちゃう?」
「うるせぇ!俺だって会計の手伝いぐらいできるんだよ!」
サッカー部には迷惑かけたから部費を上げてあげようか。
5%プラス…っと。
「くそぅ、おい樹!」
「何よ?」
その分生徒会執行部の部費は減らそう。
5%マイナス…っと。
「何か俺の仕事はねぇのかよ!」
「えー…?」
何やらいろいろと喚いている空也を放っていると、いきなり私の肩を揺さぶり始めた。


