私は空也と部長の間に割って入る。

「いい加減にしてよね。部長はやってないって言ってるでしょ」

「あ?なんだお前、こいつの味方すんのか!?」

「するに決まってるじゃん」


言いながら私は、ポケットから1枚の紙を取り出す。

「何だそれ」

「領収書よ。この間冷却スプレーを買ったけど、申請するのを忘れてたみたい」

さっき涙目の部員から渡されたものだ。

どうやらこれを空也に見せる前に、彼は部長を引きずっていってしまったらしい。


「これを加えたら、残金と支出がぴったり合うはずよ」

そして2人を引き離し、私は部長に頭を下げた。

「いつもいつもごめんなさい。ほら、空也も謝って」

「はぁ!?なんで俺様がこいつに」

「いいから」


無理やり頭を押さえつけると、空也は唇をとがらせながら渋々頭を下げた。