そしてこの惨状の後片付けをするのは、当然私なのである。
「三枝、お前も毎回大変だな」
心優しい先生方がそう声をかけてくれるけれど、誰ひとり手伝ってはくれない。
まぁこれだけ同じことを繰り返していたら当然だろう。
三枝樹(サエグサ イツキ)、17歳。
苦労症の生徒会役員。
ちなみに役職は会計。
さっき大声を上げながら通り過ぎていった我が生徒会の会長、上代空也(カミシロ クウヤ)にいつも振り回されっぱなし。
「あーあ。いい加減にしてくんないかなぁ」
そんな呟きも虚しく消えていくわけで。
あいつがこの学校の頂点に君臨している限り、私の気苦労は絶えそうにない。


