悪役ヒーロー見参!!



だーいぶ前から知ってたけどね。

まぁそんなのどっちでもいいんだけどね。


「じゃ、じゃあずっと俺の気持ちを知っててたぶらかしてたのか!?

ケーキの時とか、肝試しの時とか、さっき布運んでる時とか!!」



チッチッチ、チーン……。


「…あー、そういうことになる…かなぁ」

「なっ、ひでぇ!悪女、悪女がいる!」

「だって、困った時の空也の顔が面白かったし…」

「…で?」


空也の顔がグッと近づく。

鼻先と鼻先が触れそうだ。

そこらの少女漫画だったら、とっくにキスされてそうな距離。