悪役ヒーロー見参!!



「…うるっさい」

きっと客席にまで筒抜けだろうなぁ、なんてことをぼんやり思う。

なのに空也ときたら真っ赤な顔で。

トマトみたい。


「だだだだって、い、樹が、え、えぇ!?」

もう興奮しすぎて何を言っているのかさっぱりだ。

「だって…うん、わかるよ」


そんな、ベタな恋愛小説じゃあるまいし。

周知の事実なのに当の本人だけ気付いてない…とか、無いでしょ。