「ほんっとめんどい」
ぶつぶつぼやきながら、私は布の調達をするために手芸部と生徒会室を往復している。
手芸部が協力してくれるのはうれしいけど、いちいち渡される布の量が半端じゃなく多い。
「はい三枝さん、これどうぞ!」
とか言いながら、でっかいロールケーキみたいな量の布を差し出してくるし。
…いや、協力はありがたいんだけどね。
「めちゃくちゃめんどい。死にたいぐらいめんどい」
「だから悪かったって!」
「悪いと思うならもっと持って」
そう言って空也に布を渡すと、蒼白な顔でそれを受け取ってくれた。
うん、すでにものすごい量持ってくれてるんだけどね。