先生の言うとおり空也の両鼻には、こよりにしたティッシュが詰められている。
「あぁ…はは、これはですね、そのー、えっと…」
まぁ確かに言えないよね。
会計のメイド服姿を見て鼻血を出した揚句ティッシュが無くて、気まずい思いをしながら私にティッシュをもらったなんて。
…かっこ悪いにも限度がある。
山原先生がくすりと口元を歪める。
美しくも怪しい微笑みが眩しい。
「上代、ひとつ言ってやろうか」
「はっ、え、な、何?」
「そういうものこそが、若かりし頃の過ちと言うんだぞ…?」
先生…かっこよすぎです。
どっかの会長と違って。


