今にも床に這いつくばりそうなほど元気をなくした空也は、獣のごとく吠えた。
「うるっせぇぇぇぇ!!説教ならもう嫌というほどくらったんだよぉぉ!!」
うるさいと言う彼の方がよっぽどうるさいのはいつものことだ。
みんな黙って耳をふさいでいたけれど、気になることがあって私は訊ねた。
「下校時刻までデートじゃなかったの?」
「あのハリセンやパンチの嵐をデートと呼ぶんなら、お前ら精神科に行った方がいいぞ」
…なるほど、相当ひどい仕打ちを受けたらしい。
「運のいいことに、職員会議があったんだよ。千春ちゃんは途中で出ていった」
先生にそれだけ怒られたなら、もう大丈夫だろう。
そう思っていた私たちはまだまだ甘い。


