私になんて目もくれず、吹奏楽部の人たちは空也に話しかけ続ける。
「い、樹っ、助け…っ」
空也が助けを求めるようにこっちを見てくるけど、助けを求められても…ねぇ?
音楽室の壁にもたれてあくびをしていると、空也の必死の叫びが飛び込んできた。
別に聞きたくも無かったけど。
「ちが、違うんだ樹!これは断じて浮気なんかじゃ…」
「は?」
浮気も何も、付き合ってないでしょーが。
まったくもう、付いていけないよ。
ふと顔を上げると、指揮棒を手にしたまま困惑顔の吹奏楽部の顧問。
すいませんねぇ、うちの会長が合奏の邪魔しちゃって。


