「そんなの誰も見るわけないでしょ」
「俺もそう思うな」
「私は少ない観客の中でバカみたいに踊ってるくーちゃんが見たいべさ」
空也はというと、生徒会室の隅で「の」の字を書き始めてしまった。
もうなんか典型的すぎて笑う気にもなれない。
無言でその様子を傍観していると、いきなり立ち上がってこう叫ぶ。
「よし、アンケートだ!」
「…は?」
「生徒にどんな出し物が見たいのか聞きこみに行くぞ!!」
「民主主義…ってやつ?」
「そうだそうだそれ、ミンシュシュギ!」
空也が言うと賢そうな単語もバカにしか聞こえないから不思議だ。


