栗がそれを、どこか同情するような目で見守っている。
これだけシカトされても気付かない彼の鈍感ぶりに乾杯。
「空也の今までの行動を振り返ると、多分あいつの独壇場になるよ。出し物の名前からしてわかるでしょ?あれは他の人が介入することをまったく考慮してない」
難しげな単語を使ってごまかしているけれど、内容は笑い飛ばしたくなるぐらい簡単で虚しいものだ。
要するに、あいつは自分のことしか考えてないただの自己中だ。
嵐が眼鏡を押し上げて、フッと笑う。
「そうだな…。確かにそうだ、わかりきっている」
「なんで私たちは生徒会にいるの?他の何でもない。空也の暴走を止めるためでしょ?」
「そうだ、あいつを止めるためだ。そのためならどんな手段も厭わない。
俺が命をかけてあいつを止める…!!」
「はいはい、いい加減にせんかい」
栗がズバッと切れ味のいい突っ込みを繰り出す。
嵐に1000のダメージ!
ごめんなさい、嘘です。


