私は頭をがしがし掻きながら、素っ気なく答える。 「下校時刻まで山原先生とデートだって」 栗は肩をすくめて笑っていた。 「そんな厳しいデートはごめんだべさぁ」 まったくだ、私も丁重にご遠慮したい。 2人で生徒会室に行くと、銀縁の眼鏡を押し上げて書類と向かい合っている男の子がいた。 私たちに気付いたのか書類から視線を外し、こちらを向く。 「遅かったな樹、栗」