どうしてか放心状態の空也はとりあえず放置で、私は栗の方に駆け寄る。 「どうしたの栗、嵐。今日は遅かったね?」 「先生に呼び出されていた」 「なんで?」 空也はともかく、嵐や栗が先生に呼び出されることはとても珍しい。 しょげていたはずの空也が、それを聞いて途端に元気になる。 「嵐ー!お前もしかして先生に怒られたんだろ! やーい、ざまぁみろ!」 なんて子供っぽい。 ほんとにバカじゃないの。 嵐はそんな罵詈雑言にもクールに対応する。 「俺はお前ほど落ちぶれてない。残念だったな」