誰かが私の頬をぺちぺち叩いている。

「うぅ…」

うっすらと目を開けると、栗が心配そうに私を覗き込んでいた。

「栗…?」

「よかったイッちゃん、心配したべ」


一体何が起こったんだろう。
ここはどこだっけ。

あぁそうか、肝試しの最後にのっぺらぼうの大群が出てきて…。


「く、栗、聞いて!」

「ん?」

「のっぺらぼうの、のっぺらぼうの大群が現れたのよ、逃げて!」

「それなら私が退治したべ」

元ヤンの意地だべさ、と栗が力こぶしを作って見せる。

そうか、それなら安心…。