私は大げさにため息をつきながら頷く。 「しょうがないなぁ。いいよね、嵐。…って、あれ、嵐?」 いつの間にか嵐がいない。 これは、これはまさか。 私も空也と同じ状況に陥ってしまったと言うのか。 冗談じゃないよ、ほんとに。 「ほ、ほら、行くよ!」 空也の手を引っ張って進むと、怖いものも怖くなくなった。 だって…。 「うらめしぃぃぃ…」 「ぎゃあぁぁぁ!!!」 空也がすごい勢いで怖がってるから、私まで怖がるわけにいかないよ。