「おいてめぇ、覚悟しろ!」

あぁ、今日もうるさい声がする。

「退け退けぃ!俺様のお通りだぁ!」


耳にキンキン響く叫び声。

いつものことだけれど、うっとうしくて仕方がない。


「空也、被害は最小限に留めてね」

「あ?おぅ、任せとけ。犯人はすぐ捕まえてくる」

「そうじゃなくって…」

止めるより先に、派手にガラスが割れる音。

他にもバケツがひっくり返ったり、束になっていたプリントがばらけたりしている。


あっという間にさっきまでの廊下は目も当てられない状況になっていた。