「送ってくれてありがとう」



「おぉ。」



たっぷり遊んだからか、空はすっかり真っ暗で



珍しくツカサに家まで送ってもらった。




「なぁ…ジュン」



すでに玄関へ足を向けていた私を呼び止めたツカサ




「なに?」



バイクに股がったままのツカサの顔は、ここじゃ暗くて良く見えない



「いや、なんでもない」


ん?変なの…


私はバイバイと手をふると、家の中へ入った。



「もし俺が、あいつとお前が出会う前に気持ちを伝えてたら…今日みたいな毎日が送れてたのかな…」



「俺の方が先に、お前と出会ったのに……」その呟きは誰も聞くことなく



青白い月光に吸い込まれていった