「間に合ったぁ!」

私は大学の体育館に足を踏み入れると、ふうっと息を吐き出した

2階部分の観客席から、体育館のコートを見ると、ジャージを着た男子たちがボールを持って走っている

K大バスケ部の公開練習

その中に、私の好きな人がいます

『霧島君、今日も格好良いねえ』

『彼女、やっぱマネの三崎って人かな』

『仲良すぎだよね、あの二人って』

近くに座って、観覧している女子たちの話が私の耳に入ってくる

三崎さんは、大学に入ってからもバスケ部のマネをしている

たぶん…ううん、絶対三崎さんは、霧島君を好きで追いかけているんだと思う

マネなら、一番近くにいられるから

霧島君、誰とも付き合ってないよ

三崎さんと仲が良いのは、高校から付き合いがあるからだよ

私は鞄の中から、デジカメを取り出すと、霧島君の横顔を撮った

やっぱり、霧島君は格好良い

見ているだけで、元気を貰えるよ