真輔の風


「そうね、私、忘れていたわ。小田切さんの昔を… 

だって、高校生になってとても素敵な人になっていたのですもの。
クールで… それに強いのでしょ。」


「ああ、俺だって、
去年の文化祭で龍雄に加勢した真輔の強さに驚いた。

色が白いから、まだひ弱な感じがしているが、
その実は… ってとこだよな。

みんな友達になれて良かったな。」


「本当… 私、すごく嬉しい。」





しばらくは龍雄の部屋で話していた。

その内に信一は百合子と帰って行った。

が、真輔は動こうとはしない。




「真輔、どうかしたのか。
久しぶりに会えて嬉しいのに、
なんだか元気がないなあ。」


「うん… あのな、
龍雄は女を抱いたこと、あるか。」




いきなり、真輔の口から出た言葉… あまりにも突飛だ。


そうなのだ。

ここに来て、真輔の頭の中は、自分におきた、

あの現象が頭から離れなかった。

車の中で思いついた。

こういうことは龍雄に聞くのが一番だ、っと。

だから、その後のことは、聞こえてはいたが… 





「女… まあなあ、
俺は一通りのことはしてきたからなあ。

女がどうかしたのか。
お前、あの川崎が好きだったのか。

信一の話では… 
お前、川崎がビルから飛び降りたとき一緒に飛び降りて助けたのだろ。

あいつを抱きたいのか。」