こうして晴れてカレカノになった私達は、店内から出て、公園にいた。
午後6時。
日が傾き始める。
『ねぇ、椙村くん』
「なぁ、神流」
『なぁに?』
「その…椙村くんって呼ぶの、止めねぇか?」
『なんで?』
椙村くんは椙村くんだ。
椙村くんと呼んで何が悪いのか…
「俺達、付き合ってるんだぜ?普通は名前だろ。
...
なぁ?…祇苑?」
『むっ無理だよ!!無理無理!!』
私は全力で首を振る。
恥ずかしすぎて死ぬよ!?
「へぇ…呼べないの?」
椙村くんがニヤリと笑う。背中にゾクリと痺れが走った。
「暁夜だよ、暁夜。…呼んで?」
二人しかいない公園に、椙村くんの声が響く。
その声は低く、優しく、甘く、私の鼓膜を震わした。
「ほら、呼んで?」
右手で頬を撫で、その親指で私の唇をなぞる。
私は恥ずかしすぎて声が出なかった。
「…呼べねぇの?」
グイッと私の身体を引っ張る。私は椙村くんの腕の中に収まっていた。
「我が儘な祇苑には、……お仕置きが必要だね?」
何、この甘い感じ!?
これ本当に椙村くん!?
『…………………ッや…』
突如、耳に何かが触れる。
生温かくて、ヌルリとした…
っ!?舐められた!?