おうさまげぇむ。

―暁夜side――――――

俺が両替から戻ってきたら、神流が数人の男に取り囲まれていた。
神流の耳元で、何か囁いている。

神流は震えていた。
神流がギュッと目を瞑る。

『椙村くん…』

小さく、神流が呟いた。
それは、周りがうるさくて絶対聴こえない小ささなのに、不思議と俺には聴こえた。


気付けば身体が勝手に動いていて、神流の肩に手を置いた男を蹴り飛ばしていた。

「テメェら、邪魔。
誰の女に向かって口説いてんの？」

俺自身もびっくりするぐらいの低い声で言った。

「あぁ？誰だ、テメェ」

チャラ男が俺に向かってガン飛ばしてきた。
…おいおい、この俺様に向かってガン飛ばしていいの？痛い目見るよ？






あぁ、読者の皆様。
俺は俺様な性格だから。…ビビった？



「んなこたぁ、どーだって良いだろ。俺の女に手ェ出すなんざ百万年早ェよ。散れ」
「っんだよ、彼氏持ちかよ…」

そう言い残すと、チャラ男達は去っていった。