---次の日、俺は朝早く病院に行った


いつも乗っている自転車をピカピカに磨き、彼女が乗る予定の荷台の部分は念入りに磨いた

通い慣れた病院までの道のりを自転車で走り、二時間後に病院の入り口で着いた


いつもなら自転車置き場に行く所だけど、今日は自転車を置く必要はない


病院の入り口の前には看護婦さんに連れられた彼女が立っていた


いつか見た白いワンピースを着た彼女

俺達が初デートの日に着ていた服装だった


あれから二年以上の時が過ぎたのに俺達は何一つ変わっていない

きっと世界中で俺の心がこんなにもドキドキするのは彼女にだけだ


久しぶりの私服で恥ずかしそうにしている彼女の手を取った


『どうぞ』

それは自転車の後ろ、

いつも二人で自転車を並べていたけれど今日は違う


同じ自転車に乗り、彼女の温もりを感じる事が出来る


今日の天気は青空で蒸し暑くもなく、最高の天候だった



『じゃぁ行こうか』

俺がそう言うと彼女はピタリとくっ付き、俺の腰に手を回した

彼女の腕はか細かったけれど、その手は力強かった