彼女との出会いは高校一年生の時

同じクラスになり、女子にも男子にも人気がある生徒だった


どこの学校にも一人は居るだろう

何もしなくてもその人の机の周りには人が集まるみたいな人


その人が何かをやろうと言えばみんなやる気になって、

その人が抜けた途端につまらないと感じさせてしまうような人


彼女はまさにそんな感じで、みんなの人気者だった



俺の通ってる学校も周りが田んぼだらけな場所で、学校の同級生もみんな俺のような田舎町に住んでいる


毎日の会話のほとんどが、“早く卒業して都会に行きたい”でみんな口癖みたいに同じ事を言う


だけど不思議な事に彼女の口からその言葉を聞いた事がない


同級生達が都会に行ったら…と想像を膨らませているのに彼女はいつもその話しには乗らなかった



俺は真面目でも、不真面目でもない普通の生徒で

ただ平凡な毎日を生きているだけ


そんな中でまだ俺は人気者の彼女とは話した事がなかった

友達が気軽に話しかけていても、俺はそれを見ているだけだった


だからこそ、

見ていたからこそ知っている


彼女はこんな田舎町が好きなんだと