それから彼女は3日間学校を休んだ


彼女の風邪がどれほど悪いのか俺は知らない


担任に聞いたら、40度近い熱も出たという

病院などには行ったのだろうか?


ここ一年で彼女は俺の家に何度も来たけれど、俺は彼女の家に行った事はない


家がある近くまでは行った事はあるけど、やっぱり彼女の両親に会うには勇気がいった


また今度、また今度と先伸ばしにしていた罰だと思った


だってもし彼女の親と面識があったならば、こんな時も気軽にお見舞いに行けたかもしれない


俺は彼女の具合がどうしても気になったけど、こんな時に親と初対面するのも気が引ける


それに…彼女はただの風邪だ

数日もすればきっと良くなると思う


俺は次の日も次の日も彼女を待ち合わせ場所で待った

父親の古い腕時計が使える事を知って、今はそれを身に付けている


学校のチャイムが鳴るギリギリまで待ち、また今日も一人で登校した


彼女と作るはずだった雪だるまは結局作れず、今はその雪さえ溶けてしまった


その日教室に行くとずっと空席だった彼女の席に人の姿が


それは紛れもない彼女の後ろ姿だった