「荻野君、こないね」 葵は教室のドアをチラッと見ながら言った。 「……うん」 秋人君は、いつも放課後になると私の教室まで迎に来て「帰るぞ」って言ってくれてた。 勿論約束なんてしてなかった。 だから秋人君が来ても来なくてもおかしくない。 だけど、来れない時はいつも、わざわざ連絡をくれた。 今日は 教室にも来ないし 連絡もない。