階段 小さな女の子の声が聞こえる。 階段の方からだ。 「~・・・」 ぼそぼそと聞こえる。 一段ずつ確実に上ってきている。 声もはっきりしてきた。 「一人目・・・二人目・・・」 階段の数ではなく、人の数を数えているらしい。 「三人目・・・四人目・・・五人目・・・六人目・・・」 女の子が一段上るたびに一人、二人と増えていく。 「十人目・・・十一人目・・・十二人目・・・」 俺の部屋の前で止まった。