あれから毎日mailをしている。

旅先で一目惚れした居酒屋の店長。
普通にあり得ない話だ。

社交辞令と言うか、客の1人として営業の内だろうと期待しない様にしていた。

私は新しい職場で働き出して、生活も少し変わった。エステ勤務の時は昼出勤で、遅いと夜中まで働いていたし店に泊まる事もあったくらい。

それに、勤務地が奈津美の家に近くなった事で奈津美との時間が増えたのはよかった。

「で?その後どーなの?」

興味津々に奈津美が聞いた。

「その後も何も特に…笑」

毎日mailをしているものの、そもそも生活時間が違う為、なかなかゆっくり話ができないでいた。

「まさかこんな展開になるなんてさぁ〜あん時の沙里、マジで可愛かった〜」

あの日は本当にテンパっていて、実はあんまり覚えていない。

♪♪♪〜♪♪♪〜
携帯の画面に“椎葉 櫂”の表示。

「あ!」
またもテンパってしまう私。

「あーもしかして櫂さん?」
奈津美がニヤッと私を見た。

「も、もしもし!」

「アニョハセヨー♪」

櫂くんはいつもこんな風に電話してくる。
「何してた?」

「今奈津美と一緒にいたの♪」

そう言ったら奈津美に携帯を取られた。
「もしもーし♪お久しぶりです〜」

それから奈津美はしばらく話し込んでいた。