昼休み、華子と佐紀が話している所に、
友理が来た。


  「何、話してんのん?」


  「いやっ、別に」


  「いわゆる、世間話ですわ」


  「そういや、最近、佐紀と、
   よく目が合うんやけど」


  「そんなこと、ないよ」


  「きっと、友理の事、
   心配してるのですわ」


  「えっ、心配されるやなんて、
   ウチ、何かした?」


  「華子、何言ってるの?
   ないない、何も、ないよ」


ちょっと、うろたえる佐紀。


それを見て華子は、
  “これは面白いことになって来たぞ”
と思った。


自分が気づいている事は、
佐紀にも、黙っておこうと考えた。

こんな面白いことを、簡単に、
終わらせる手はない。

素直な佐紀は、ちょっとつつくと、
敏感に反応してくれる。

そして、それを面白がる自分に、
”自分は、つくづく [S] だな”と思った。